
『ボストン夫人のパッチワーク』
イギリスの児童文学作家、ルーシー・ボストン夫人は、素晴らしいパッチワークの作家でもありました。
数々の色彩豊かなパッチワーク作品が掲載されています。

80歳代。パッチワーク作りに最も活動的であった時期のルーシー・ボストン。

The Manor(ヘミングフォード・グレイ村)の食堂のカーテン

「キーボード・パッチワーク」
おそらく1967年、ルーシーが75歳の年に、制作が開始されたそうです。

「森の子どもたちのためのパッチワーク」
二番目の孫のために。

「万華鏡のパッチワーク」

拡大。この細かい分割を見て!

「コールテンのパッチワーク」
このとき既に89歳。
視力も衰え、指だって昔ほどには器用に動かなかったでしょうに。

「十字架づくしのパッチワーク」
マナーハウスのゲストルームのベッドに掛けられています。

その拡大。
部屋の雰囲気もよし。
生きていれば、いずれ年を取ってゆきます。
憧れるおばあちゃんの姿は、ルーシーそのひと。
他にもいます。でもそれは小説の中の人物なので、いずれ。
いっくら年を取っても、見えにくくても、眼鏡もかけずに針仕事をしていたルーシー。
どんどんピースがちいさくなっていくことには驚かされます。
ひとつひとつは小さな端切れなのに、合わさると、まるで別の生き物のよう。
パッチワークは人間そのものや、人間関係に似ています。
この角度からだと三角としか見えないものが、少し視点をずらしただけで円に見えてしまう。
「こういうひと」だと思って話をしていたら、全然別の顔が見えて戸惑ったりした経験があるでしょう。
あるいは好きになったり。イヤになったり。
自分が「こうであってほしい」と思って見ているんでしょうね、相手のことを。
色合わせをしていて思うのは、そんなこと。
自分も「こんなひと」だと決められたくないように、他の誰かのことも、思い込みや先入観なしで見る。
これって「相手を尊重する」ってことかな。
誰に対しても、そう出来たらいいのですが、うん、・・・。
パッチワークの不思議さは、好きな布だけでは出来ないということです。
意外な布の組み合わせがうつくしさを生むということに、すっかり魅了されているのです。
取り憑かれていると言ってもいいかも(笑)。
ね、これもひとに似てるでしょう。
余談ですが、この本絶版らしくて一万円以上で取引されてました。
わたし、ますます手放せない。