
(画像クリックで『殯の森』HPに飛びます)
森に、圧倒される。
物語がどうとか言う前に、鬱蒼とした森に抱かれるような感覚を覚える。
自分が育ったところは広い田んぼの真ん中で、森や林はわざわざ山に行かないと出会えない。同じ市内でも「里山」ということばが似合うのは、やっぱり山の麓。
数えるほどしか行ってない、と思う。
それだからなのか、逆に木に対する記憶や憧れは鮮明で、この映画を観て昔肌で感じ取ったものを思い出した。
恐怖、畏怖。
ひんやりとした心地よさは、いっしょに誰かがいるからであろうことを、子どもだったわたしはよくわかっていた。
ひとりになったら、ひとりだったら絶対に行きたくない場所。
大自然の懐というものに抱かれると、わたしなんぞはたくさんの被り物を剥がされるような気持ちになるのだ。素のままの自分でいられるというよりは、丸裸にされて、どうやって自分を守ったらいいのかさえわからなくなってしまう。
だから、怖いのだ。
矮小な自分をひとに晒し、真剣に向き合わなければならなくなるから。
どの風景を見てもうつくしかったし、その画のきれいなことと言ったら。
大画面で観るべきですね、これ。
森そのものの佇まいだけでも圧倒されるのに、鉄砲水の場面で完全にやられたと思いました。
大切なひとを失ったふたりが、こころを再び開けるようになる物語なのだろうとは想像していましたが、ハリウッド映画にありがちな完全無欠のハッピーエンドではなく、続きは観るひとの胸の中にだけあるようなエンディングが印象的でした。
だって、生きている限り生活は続くし、節目はあっても結末はない・・・でしょ。
個人の生命の終わりはあっても、でも、誰かのいのちは続いてる・・・。
もうわたし自身は通り越してしまった「いのちの繋がり」というテーマを、河瀬監督が「いま」実感して映画に撮ってくれて、ちょっとまた新鮮な気持ちで子どもたちのことを見ています。
もちろん、介護の経験があることも、痴呆の老人と暮らしたことも、監督の経験と重なるので、感じることが多かったのだとも思います。
人間は経験すればするほど、想像力も逞しくなりますから。
「作り物くささ」がなくて、 ドキュメンタリーを観ているような、妙な安心感がありました。これは自分にも現実に起こり得る話で、でも、完璧に何もかもこなす必要もなくて・・・。
先日の「クロ現」でも、海外では「普遍的なテーマを日本らしい自然の姿で表現した」という評が紹介されていました。
あの里山の風景だけが、日本ではないのだけれど。
でも、感じたことは同じなのだな、と思いました。
娯楽作品としてとか、興行成績がどうとか、というつくりではない、監督が伝えたいものをつくった映画だということも含めて。
是非観てください、というよりも、森に行きましょう、と言いたくなる、わたしにはそういう映画でした。
河瀬直美監督の公式サイトはこちら→http://www.kawasenaomi.com/
『殯の森(もがりのもり)』公式サイトはこちら→http://www.mogarinomori.com/index.html
河瀬監督のブログもあります→なおみごよみ
オカダも森は恐いと思います。1人では入りたくないです。この映画では、森に対する恐怖、畏怖をリアルに表現していましたね。
鉄砲水の場面、確かに衝撃的でした。とてもうまい構成でしたね。
>続きは観るひとの胸の中にだけあるようなエンディングが印象的でした。
確かにそうでしたね。それがこの映画の個性であり、いいところなんですね。
>どの風景を見てもうつくしかったし、その画のきれいなことと言ったら。
大画面で観るべきですね、これ。
同感です。うちの110インチスクリーンで堪能しましたが、やっぱり映画館で見たいですね。
クロ現の方もたまたま見ました。監督の意図どおり、まさしく「普遍的なテーマを日本らしい自然の姿で表現した」映画でしたね。
オカダさんは森の木の一本一本を見ていて、わたしは森全体を見ていたような感想でした。
ふたり合わせてやっと一人前なのね(笑)。
秋に行われている山形ドキュメンタリー映画際で、ことし、河瀬監督が撮った『垂乳女』も上映されることが決定したそうです。
わざわざ行ったりはしないけど、この映画のメイキング的な意味合いもあるので、そのうち観られるといいな。
大画面で確認して、でもやっぱり切り取られた風景じゃなくて、全部が見たいなぁと思います。
あの山の、森の冬の風景も、見てみたいです。
どこから見ても作り物然とした
リアリティまるでなしの映画ですが。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
映画「殯の森」もとりあげましたた。
よかったら、お寄りください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
>>kemukemuさん、いらっしゃいませ♪
kemukemuさんは「山」と仰ってましたが、わたしにはやっぱり「森」ですね。
尤も、山と森は密接な関係なんですけど。
大道芸、都では支援してるんですよね。
ちょっと面白い施策だと思います。
歌でも踊りでもジャグリングでも、あんなふうにひとを楽しませることができたら、って思いますね〜。