甘くむせ返るような香りが部屋中に満ち、まどろみかけていた私を覚醒へと誘う。
月の明かりに照らされた窓辺に置かれた鉢から、その香りは漂って来る。
ほら、咲くよ。
ベッドに腰掛けたあなたが言う。その身を鉢の方へと乗り出して。
私のことなど見向きもしない。
私は横になったまま、じわじわと首をもたげる花を見つめた。
息苦しいほどの香りと沈黙。
ゆっくりと時間をかけて、触手を伸ばすように開いてゆく花。
私は服を着ると化粧を始めた。真夜中だったがきっちりと。マスカラさえも濃く重ねた。
彼はそれでも私を見ない。
恋の終わりなんてこんなものね。
そう呟きながら、私はそっと部屋を出た。
月下美人だけが、歌うように見送ってくれた。
我が家には月下美人の鉢がふたつあります。
毎年花をつける方は、今年はその気配はありません。
初めて花をつけたこの鉢は、20日の満月を待たずに昨夜咲いてしまいました。
いつもは秋のお彼岸の頃に咲いていたのに、一昨年あたりからひと月も早く咲くようになっています。ちょっと気味が悪いくらい・・・。何年も同じように義父が世話をしているのに、開花の時期がずれるのは何が原因なのでしょうか。
いったい昨日の何時頃に開ききったのかしら。
うとうとしているわたしの傍で、10時頃『サンダーバード』の実写版観たい人と、クレしんの『ブタのヒヅメ大作戦』観たいヤツらが騒いではいたようだったけど。
「ほら、ブログネタができたぞ」
と話しかけられても目も開けられず、ただ休息のポーズで睡眠をむさぼりたいヤヤーだったのでした。
また名前もお洒落だし。
欲しくなっちゃた。
ほんとにこの名前には、やられたと思います。でも花と比べてびろびろべろべろした葉っぱはちょっと・・・。
いつかTVで観たお宅は、棚にして這わせて上からつり下げて咲かせてました。