2016年06月22日

『国ってなんだろう?』

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「わたしはこの国に帰属しているのか。」 2016/6/22

わたしは学校で教えられていることを鵜呑みにし、
受験のための勉強だけをして来た世代です。
特に近現代史は「ぼんやりとごちゃごちゃと教えろ」と
教育指導要綱に書いてあったほどなので、
いいトシになって、やっと学び直しているのです。

パレスチナ問題、日本の近代、そして世界の今日、
こんなにわかりやすく説明して貰ったのははじめて。
そして、現在じぶんが感じている不安や疑問、気持ちの悪さ。
そういったものに答えが見つかった気がします。

いまの政権が目指しているのは、まるで明治時代のような脱亜入欧みたい。
日本ってそんなによその国よりも偉いの。賢いの。優ってるの。
それならどうして『ちっちゃな科学』でかこさとしさんが仰るように、
「…なぜ戦争が起きる前に止める方法が見つからないのでしょう。」
どうしてアメリカの言いなりで沖縄を犠牲にしてるの。

p.134~辺りにこの答えが書いてあります。
「…国家は国民のことを人格を持つ個人とは見ていません」
「…国の論理と人間としての論理は違っていて…」

選挙に行く前に、自分たちがいまどんな国に住んでいて、
誰に政治を任せようとしているのか、
この本を読んでよく考えるべきだと思います。


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 図書館で見つけて、タイトルだけで読もうと決心し、先に夫が二度読みするのを待ってやっと読みました。
 あんまり夫が褒めるので「そんなにすごい〜」と、軽い気持ちで読み始めましたが、ホントにすごい。

 この著者、早尾貴紀さん、素晴らしいです。ホントに中学生にもわかるように書くことが出来てます。難しいことを難しく書くのは誰にでも出来るけど、ええ、近現代史を、民族問題を、こんなにわかりやすく説明して貰った本に出会ったのははじめてですよ。


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kakosatoshi 160622.jpg かこさとしさんと福岡伸一さんの共著です。対談あり、一問一答ありで、こちらも中学生だって読めます。
 ごじぶんのことを「戦争の死に残り」とかこさんは言います。なんて悲しいことでしょう。
 科学に興味を持ち、それを戦争に役立てようと勉強して疑わなかったことを後悔しています。視力が悪かったために飛行機乗りにはなれなかったので、それで「死に残り」と自嘲気味に仰います。
 だからこそ、声を大にして戦争は間違っていると子どもたちに伝えようとしています。


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 それはともかく『国ってなんだろう?』は、わたしが抱えていたもやもやに、かなり答えてくれました。フランス革命に始まる「国家」「国民」という意識、世界の民族紛争から福島の原発事故まで、ものすごく広くカバーしています。
 そもそも「国」とか「国民」という概念がなかったというところが、わたしはとても好きです。どこにいても誰でも「地球人」ということでしょうか。

 ユダヤ人は住むところを追われて中東イスラエルにパレスチナを建国しましたが、それも元を正せばヨーロッパの植民地思想が原因だと知りました。曰く、ヨーロッパ人はどこに住んでいる人間よりも優秀なのだから、他の劣った者たちの土地や心を自由に支配できるのだと。
 「日米地位協定」だって同じことですよね。そして日本国内にも同じことが言えます。わたしたち東北に住む者も、かつては大和朝廷に征伐(!)され、北海道のアイヌ民族も虐げられ、さらには沖縄です。沖縄の苦難はいつまで続くのでしょう。きっとこんなふうに考えてるわたしの心の中も、沖縄のことを下に見ているのでしょう。何もしていないのですから。


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 いま、参議院選挙が始まって各党が様々なことを喋ってるけど、どの党が言ってることも心から信用できない。

 『国ってなんだろう?』から気になったところを引用します。

 p.134~135
 戦争のときに限りませんが、国家は国民のことを人格を持つ個人とは見ていません。国にとっては総体としての国民であり、数や規模であり、取り替えの可能な存在です。国の論理では、一人ひとりの人間性が顧みられないこともあるのです。

 p.136
 …国の論理と人間としての論理は違っていて、戦争など国の論理が強い時の非人間的なことを、国の論理の熱狂から覚めたときに人間としての見方をすると、信じられない気持ちになるのではないでしょうか。


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 著者の早尾貴紀さんもまた福島県生まれ。原発事故に追われたひとりです。
posted by おかめ at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読む
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