2006年01月28日

苦手なタイプ。

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最初に謝っておきます。
わたくし、村上春樹さんというひとは苦手です。
かつて『ノルウェイの森』を、ひどく熱心に友人に勧められて読んではみたものの、わたしには、合いませんでした・・・。
とても主人公に共感できなかったし、「ありがとう」と言って返したものの、正直なわたしには、とても「うん、面白かった」とは言えなくて。

同じく宮沢賢治というひとも苦手なんです。
思えば小学4年生の時、国語の教科書に『やまなし』が載っていたことが、もうダメでした。
兄の読んでいた雑誌に掲載されていた『注文の多い料理店』は楽しく読めたのに、授業で何だかんだと分解して細切れにされた『やまなし』は、理解に苦しむものでした。

このふたり、顔が似てると思うんですよねえ。



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顔で本の善し悪しが決まる訳ではありませんが。



賢治については、朗読家のおつきゆきえさんという方のおかげで楽しみかたがわかりました。
「声に出して読む」
これです。

ほんとに、声に出して読んだほうが、情景が浮かんで来て、アタマで理解するよりも先に感じることができたのです。
いえそれはおつきさんが読んで下さったからかも知れませんけど。




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ではなくて、きょうの本題は村上さんのほう。
さゆたさんが紹介して下さった、村上さん翻訳の本を読んでみました。

『クリスマスの思い出』です。
さゆたさんのところで表紙を見た時から、なんか好きだな〜と思っていたら、山本容子さんが挿し絵を担当されていたのでした。



やさしい物語だな、と思いました。
うんと年の離れた、祖母と孫と言ってもよいくらいのいとこ同士のふたりは、お互いにお互いのことを良く知り、思っています。
ただ、たいせつな相手のためにクリスマスを祝う準備をするのです。

その様子が淡々と描かれているのですが、とても楽しそうです。
おばあちゃんいとこの「我が友」が七つの子にウィスキーを飲ませてふたりして酔っぱらって踊って叱られて(ウィスキーはフルーツケーキを作った残り)、
「年をとってもまともになれない」
と言って泣く場面なんて、最高にチャーミングだ。

「ぼく」が寄宿学校に入れられて仲の良いふたりが離されると、「我が友」はまるで生きる望みを失ったかのように衰えてゆきます・・・・・。



原作者のトルーマン・カポーティの実体験に基づくこの物語は、どこの国にも、いつの時代にも見られる、心温まる「家族の物語」だと思います。



もう一冊。『ポテト・スープが大好きな猫』
この絵本は村上さん訳だから買ったワケではありませんで、この、舳先に乗った猫に、吸い寄せられちゃったもので。

おじいさんといっしょに船で釣りにも出かけちゃうんですよう、この猫は!
しかもポテトスープが大好きだし、自分を猫とは思っていない?

お話も良いのですが、絵も楽しんでほしい本ですね。
それは『クリスマスの思い出』も同じなんですけど。


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村上さんが訳した本はすんなり受け入れられるということは、文章は嫌いではないんですよねえ。
オールズバーグの絵本も、ほとんど読んでますから。


いつかkmyさんが紹介して下さっていた『神の子どもたちはみな踊る』にも挑戦したいなと。



ここで宣言して「読まなきゃいけない」事態に自分を追いつめるのって、実は嫌いじゃありません。


・・・おエム・・・(笑)。


posted by おかめ at 23:53 | Comment(9) | TrackBack(2) | 読む
この記事へのコメント
自分が「これだ!」と思える本に出会ったときは嬉しいですが、薦められてみたけどイマイチとか、名作だけど唸っちゃうとか、そういうことってあります。
村上さんの小説はわたしには記憶を蘇らせるような本です。佐々木マキさんの絵本だと思って羊男の絵本を読んだら、文章は村上さんだったというのがきっかけだったのですが(笑)
宮沢賢治氏の本、いくつかは読んでみたりしているものの、これという手ごたえを得たことがなくて「苦手なタイプ」です。その感覚がいつかぴたっと来る日があるのかも? それともとっくに通り過ぎた?ような気もしますが、本が面白いとか苦手ということは個人的なことですし、自分に嘘ついても仕方ないなあと思って、自分にとって大切な本を大事に読んでいきたいものです。
Posted by kmy at 2006年01月29日 09:43
うちに「やまなし」の絵本があるのですが私も理解不能でした。(笑)
声に出して読むといいのですね〜 なるほど。
今度試してみます。

私は村上春樹さんが翻訳した本に昔1度だけ挑戦したのですが
何の本だったのかそのときの私には合わなくて
それ以来ずっと読んだことがありませんでした。
私は村上春樹さん自身が書いた物語の方は結構好きなんですけどね。
翻訳の方はたまたま最初に読んだ本が悪かっただけなのかもしれませんね。
まだ読んでいないのですが試しに村上春樹さんが翻訳された
別の本を借りてきてみました。
レイモンド・カーヴァーという方が書いたお話です。
面白いといいのですが。。。
Posted by さゆた at 2006年01月29日 14:38
>>kmyさん
> 記憶を蘇らせるような本
で思い出しました。
『ノルウェイの森』には、たぶん、わたしにとっては触れられたくない部分を思い起こさせるエピソードがあったからかも知れません。
で、あんまりぎゅうぎゅう薦められたことがトラウマになっているのかも(笑)。
『羊男のクリスマス』は、確か独身の頃に買って、途中で挫折。
どうもその頃菊池秀行にハマっていて弟と先を争って読んでいたので、そっちを読みたくて放っておいてしまいました。
ところが上の子が4年生のときに読み聞かせに使ったおかあさんがいて、続きを聞きに行ったらまあすんなり受け入れられること。
出会い時だったのでしょうね。
あと、ひとに読んで貰うと大丈夫ということは、その本とのつきあい方もあるということなのかな、と思っています。


>>さゆたさん
『やまなし』は「クラムボンは笑ったよ」のところで、「クラムボン」って誰?と思ってしまい、「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」でまた?となって、このカニ二匹のほかに登場するものはいないのに、ちょっと、川の中の生き物を知らなすぎて、想像できませんでした。
教科書に載せるんだったら、もっと普通のお話があると思うんですけど。

村上さんの本のレヴューや、彼の作品に対する思いを綴ったブログも時折目にしますが、得てして男性のほうが心酔してるなあと思います。
あまりにその世界に浸っているのを読むと、こちらのほうが気恥ずかしくなってしまうほど。
そのくらい男性の心理を揺さぶり、琴線に触れる内容だということなんでしょうね。



「私は良かった」「これ好きです」と、さらっと書いてあるのを見ると、じゃあ読んでみようかなと思うほうです。
自分もレヴューを書くときには大げさにならないように気をつけているのですが、好きな本にはついつい力が入りますね〜。
Posted by ヤヤー at 2006年01月29日 20:49
ヤヤーさん、TBありがとうございました。村上春樹に心酔しているオカダです(笑)。
余生をあの猫と静かに暮らすのはいいだろうなーと思いました。
春樹さんの小説は独特ですからね。佐々木マキさんの絵の「ふしぎな図書館」はいかがでしょう。
Posted by オカダ at 2006年01月30日 19:48
村上さんに心酔してるオカダさん、いらっしゃいませ。
このようなおかしげなブログへようこそ(笑)。返しのTBもありがとうございます。

一緒に暮らすなら、わたしも犬よりも猫ですねえ。
時間がゆったりと流れてるような気がしますね。

本のお勧め、ありがとうございます。
苦手なタイプというのは、得てして「自分と似ているから」ということが理由としてあげられると思います。
自分のイヤな部分を見せられているような気になってしまうのかも知れません。
それが何かは・・・よくわかんないんですけど(笑)。

オカダさんの記事もさらっと書いてあったから、いいなと思いました。
どうぞまたいらして下さいね。
Posted by ヤヤー at 2006年01月30日 21:20
トラックバックされました。

そうですか。苦手ですか。わたしは山本容子さんが苦手です。もちろん作品が、ですが(笑)。

村上さんは翻訳しか読んだことがありません。苦手というより興味がわかないので。音楽好きには気になるタイトルの作品が多いんですがねぇ。
翻訳されたたもののうちいくつかは原書を先に読みましたが、思い切った訳をされる方だなぁというのが第一印象。小説家の翻訳なのだからあれで不思議はないとも思います。
Posted by Delius at 2006年01月31日 11:29
Deliusさん、いらっしゃいませ♪
襲いかかるようにTBしてしまいました。

村上さんの翻訳される本の選択は、面白い海外物を読みたいわたしにとっては気になります。
翻訳は原文に忠実になされる方と、自分の言葉や文章に近づけてなされる方がいらっしゃいますが、そういう意味では村上さんは後者なのでしょう。

DeliusさんのHPを先ほどちらりと覗いて来ましたが、かっこいいですね〜。
あとでゆっくりおジャマすることにします。
Posted by ヤヤー at 2006年01月31日 14:08
はじめまして。
私も以前から村上春樹が苦手で、他にお仲間がいないかな?と検索していたら辿り着きました。
私も『神の子どもたちはみな踊る』は未読ですので、まず書店で手に取ってみるようにします。
Posted by 島森 at 2007年07月06日 17:17

>>島森さん、いらっしゃいませ♪
何がイヤって、講談社の売り方が好きじゃないんだと思います。
もうこれしかない!買わないとファンじゃない!日本人じゃない!みたいな・・・。

というか、わたしは顔で作家を選ぶ傾向があり、顔を知らなければ嫌いにならなかった人も存在します。
顔で書くわけではないのに…。
なんでしょう。あの寂しげな雰囲気がダメなのかな。
村上龍は独特の冷静さが非常にわたしの好みに合うのですが。

変なところですけど、どうぞまたおいでください。
Posted by ヤヤー at 2007年07月07日 00:29
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